糖尿病

犬と猫の糖尿病治療に力を入れています

と猫にもヒトと同じように糖尿病があるのをご存知でしょうか?
糖尿病は血液中の糖分が病的に過剰になってしまう病気で、インスリンというホルモンの分泌や効き方に異常が生じることで起こります。
タイプによって1型と2型に分けられ、犬は1型糖尿病、猫は2型糖尿病が多いと言われていいます。
1型は人と同様、基本的にインスリン注射での治療が必要になります。 2型は人の場合は経口薬のみで血糖値を管理出来ることも多いですが、猫の場合は残念ながら効果が出にくいため多くはインスリン注射での治療が必要となります。 つまり動物の糖尿病はほとんどの場合インスリン注射が必要です。
 

また、人の場合は自分でこまめに血糖値を測ることが出来ますが、動物の場合は自宅での血糖値測定は難しいことが多く、そのため血糖値管理は予測に頼るところが大きいのが実情です。あまりにインスリンを増やすと低血糖の危険があるため、血糖値がこまめに見れない以上はどうしてもインスリンを少なめに調節せざるを得ません。
 
このように動物の場合は血糖値を完全にコントロールするのは困難であり、またどうしてもインスリン注射が必要になるため動物たちと飼い主様の両方に心理的肉体的な負担がかかっていました。
 
しかし近年、様々な新しい技術が生まれ、獣医領域でもそれらの恩恵を少しずつ受けることが出来るようになってきました。
代表的なものがフリースタイルリブレ(https://www.myfreestyle.jp/patient/)のような血糖センサーです。
これは皮膚に貼り付けたセンサーが皮下組織中の血糖値を常に測り続けるもので、今までのように計測毎に採血する必要がありません。
一度装着すると2週間の間、動物に負担をかけることなく血糖値をいつでも見てあげることが出来るようになります。
これによりインスリンの効き方や食事内容による血糖の上昇を詳しく見ることが可能になります。
当院では糖尿病発覚直後の患者さんや、以前よりインスリン治療をしているものの血糖値がなかなか安定しない患者さんに装着をおすすめしています。
 
またインスリン製剤も日々進化しています。人では様々な技術により長時間安定して効果が持続するインスリンが開発されています。動物ではインスリンの効き方は人と大きく異なり、またその子によっても個体差がかなりあります。1種類のインスリンでなかなか血糖値が安定しないような場合、インスリン製剤の種類を変えるとうまくいくこともあります。当院では様々な種類のインスリンを準備して、その子と飼い主様のライフスタイルに合ったインスリン探しをお手伝い出来るよう努めております。
 
糖尿病は多くの場合一生付き合っていかないといけない病気ではありますが、上手に付き合えば普通の子と変わらない一生を送ることも十分可能です。糖尿病治療でお悩みの場合はぜひ一度ご相談ください。